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高齢者の健康対策は、生活習慣病の予防よりも、日常生活の中で自立を促す方が重要--。
東京都健康長寿医療センター(旧:東京都老人総合研究所、板橋区)が、約700人の高齢者を6年間にわたって調査し、導き出した結論です。
「歩行」「食事」「トイレ」「入浴」「着替え」を一人でできるかどうかを毎年の健康診断で尋ねました。一つでもできなくなれば、健診のデータを照らし合わせてその原因を探りました。
その結果、生活習慣病と密接に関係する医学的な検査値との関連性は認められず、聴力、視力、そしゃく力、心理・体力状況などが浮かび上がってきました。
「病気の原因と、老化の原因は違う」。同研究所は人間の老化を促す要因を解明し、年齢に応じた健康維持について検討を続けていくといいます。
このように、生理人類学では、老化や病気の医学的な研究とは別の視点で、お年寄りの健康度を把握する方法、適切な介護のあり方などを模索する研究を進めています。